漫才:野球観戦

武田:どうも、よろしくお願いします。
   まず最初に自己紹介しますと僕が武田完で隣にいるのが三浦碧。
   二人合わせてENDGREENです。よろしくお願いします。
三浦:ねえ、ねえ完君、完君。話があるんだけどさ! 私、野球観戦しようと思うんだ!
武田:野球観戦?
三浦:そう! 新しい趣味を作ろうと思ってね。
武田:なるほどね。
三浦:それで、完君に質問があるんだけれど、野球場っていくらぐらいで建設できるのかな?
武田:ちょっと待ってね、碧ちゃん。野球場? 建設?
三浦:うん! 野球場を建てるんだ!
武田:ごめん、碧ちゃん。理解が追いつかない。なんでそんな大それたことを企てたんだい?
三浦:やっぱり趣味を始めるなら道具にはこだわるべきだからね!
武田:道具と捉えるには大きすぎるよ碧ちゃん。土地込みの道具ってないよね。
三浦:観客席にはプールもつけたいんだ!
武田:メジャー仕様のオプションまで欲張らないでね。
   さっきの疑問に答えるけれど、球場を作ろうだなんて何十億円とかかるし、土地込みとなると百億円でも足りないよ。
三浦:そっか……お仕事頑張らないとね!
武田:払いきれるつもりなんだね。
   仕事を頑張ることに異存はないけれど、野球観戦趣味にするのに球場建てる必要ないからね。
   だって、ボウリングが趣味の人ってボウリング場建てないでしょ?
三浦:あ、そうだね。
武田:気づいてくれてよかったよ。
三浦:ボウリングが趣味の人がマイボールを持つみたいにマイチームを持てばいいのね!
武田:これは例の選択を間違えた僕が悪いね。チーム?
三浦:そう! やっぱり道具にはこだわりたいでしょ!
武田:選手を道具と考えるのやめようね。傲慢なオーナーになっちゃうからね。
   仮に道具だとしても、オリジナルで作るものじゃないからね、碧ちゃん。
   映画鑑賞が趣味の人で自分で撮る人いないでしょ?
三浦:……タランティーノは?
武田:これも例の出し方が悪かったね。
   野球だったら既存のチームを応援すればいいからね。
三浦:じゃあ、どこのチームを応援したらいいかな?
武田:どこでも好きなチームを応援すればいいけれど、碧ちゃんって仙台出身だよね。
三浦:そうだよ。
武田:じゃあ、イーグルスがいいんじゃないかな。地元だし。
三浦:そっか。じゃあ、イーグルスにするね!
武田:今度からイーグルスの試合を応援するんだね。
三浦:イーグルスの選手を呼ぶね!
武田:呼ぶ?
三浦:うん! イーグルスの選手を呼ぶね!
武田:碧ちゃんのところにかい?
三浦:うん!
武田:それはイーグルスの選手を呼んで自分だけのために試合をしてもらおうってことかい?
三浦:あー別に試合はしなくてもいいかな。野球が観られればそれで満足だし。
武田:試合をしないのに野球?
三浦:うん! 野球が見たいんだ!
武田:もしかして、碧ちゃん。野球選手がする行動はすべて野球と呼ぶ概念を持っているのかな?
   そんな力士の作るものはちゃんこみたいな方程式は存在しないからね。
   じゃあ、碧ちゃんはイーグルスの選手を呼び集めてなにをしてもらう気だい?
三浦:部屋の模様替えを手伝ってもらおうかな。
武田:選手を体力としてしか見ていないじゃないか。
三浦:ちゃんと日給として一万二千円払うよ!
武田:完全に日払いのアルバイトじゃないか。
三浦:あ、そうだ! 一緒に美術館にも行きたい!
武田:美術館? 選手と一緒にかい?
三浦:うん。十人以上で団体割引が適用されるんだ!
武田:今度は数としてしか見ていないね。
   どんどん野球選手としての個性を無視しているよ。
三浦:興味がある展示があるから行きたいんだ!
武田:野球観戦するまでもなく新しい趣味見つけていないかな?
   あのね碧ちゃん、趣味にしたいなら野球に興味があるんだよね。
   それなら失礼なこと言わないでちゃんと野球の試合を観に行こうよ。
三浦:わかったよ。じゃあ、今度一緒に観に行こう!
   私はオリジナルの球団マスコット考えてくるから!
武田:そこも既製品で大丈夫だよ。いい加減にしようか。
二人:ありがとうございました。